ドイツのミュンヘン大学病院の研究チームは最近、ブタへのヒト心臓移植の研究が「最終スプリント段階」にあり、２年以内に実用化できると推定していると発表した。

研究チームは数種類の豚を試験し、最終的にニュージーランド産の豚を選び、心臓が人体に対して大きくなりすぎないように体重を70～90kgに保つよう遺伝子組み換えをしたことがわかった。

チームを率いた有名な心臓外科医ブルーノ・ライヒト氏はドイツのメディアに対し、遺伝子組み換えブタの心臓はまずヒヒで検査されるべきであり、ヒトへの移植研究は関連基準に達した後にのみ実施できると紹介した。ライヒト氏の研究チームは2018年、遺伝子組み換えブタの心臓をヒヒに移植したとの報告を英ネイチャー誌に発表した。移植後のヒヒの最長生存期間は6か月半でした。

2022年1月、メリーランド大学の医療専門家は、遺伝子組み換え豚の心臓を人体に移植する世界初の手術を実施した。手術を受けた患者は57歳の男性心臓病患者で、術後約2か月生存した。

異種移植は、ヒトへの臓器提供が不十分であるという問題を軽減すると考えられています。ドイツ臓器移植財団のデータによると、2022年にドイツで臓器を提供した人は869人で、2021年から6.9％減少した。提供された臓器の数は2662件で、2021年から8.4％減少した。提供された臓器の中には心臓が312個ある。欧州移植機関のデータによると、2022年末までに、ドイツでは8500人以上が臓器提供を待っており、そのうち700人近くが心臓の提供を待っているという。